走泥社と新陶彫を駆け抜けた
吉竹弘 陶展
2014.6.13(金)〜8.31(日)
〈毎金・土・日〉
am10:30~pm6:30 初日pm2:00開館・最終日pm5:00閉館
1938 京都市に生まれる
1964 八木一夫に師事
1968 走泥社同人
1980 走泥社オーストラリア巡回展(国際交流基金)出品
1982 国際インパクトアート展 出品:ソウル
1985 京都市美術選抜展 出品
1986 IAC会員になる「総会」参加
(’86:USA ’88:イギリス)
1986 関西美術選抜展 大阪彫刻センター 出品
1990 長野県望月町(現・佐久市)に転居
1995 台北市陶芸展 台北市歴史博物館 出品:中華民国
1999 信楽県立「陶芸の森」個展/WORKSHOP
2000 京都市立美術館「10人展・新陶彫展」出品
2001 以後毎年 「新陶彫展」出品
2004 新陶彫 退会
その他 個展多数
2010 没
走泥社(そうでいしゃ)
学芸員・土田真紀 記より
1948年7月、八木一夫、鈴木治、山田光ら、京都の若手陶芸家5人による走泥社の結成は、日本における現代陶芸の出発点といってよい出来事であった。現代陶芸の象徴ともいえる「オブジェ」は、この走泥社の活動の中から誕生することになる。伝統の否定と新しい陶芸の創造という、典判的な前衛芸術運動の精神を柱として、彼らは次第に、従来の焼物の宿命ともいえる実用的な形を否定するに至る。実際には完全な鑑賞用であっても、自明のものとして受け入れられてきた皿や壷という外観を完全に捨て去ったのである。1954年に制作された八木一夫の「ザムザ氏の散歩」はその最初の一歩をしるした。一旦ロクロで挽いた形を切断し、管状の突起を取り付け、立ち上がらせた形は、タイトル通り、奇妙な生き物を想起させる。
あまりにも長い伝統をもつ日本の陶芸において、実用性を否定するのは容易なことではなかった。その際、彫刻家イサム・ノグチの陶芸作品に刺激を受けるなど、むしろ彫刻への接近が「オブジェ」の誕生を可能にした。しかし、走泥社の運動が大きな力となることができたのは、それに留まらず、陶芸にとってあたり前の素材である土がもつ可能性をあらためて問うことによって、陶芸のあり方を根本から変革できたからこそである。
吉竹弘は、八木一夫最初の弟子となり、走泥社の同人として、国内外での作家活動に入る。そして、1999年に走泥社が解散するまで同人として活躍した。
〈2014.06.13〉
6月13日、走泥社と新陶彫を駆け抜けた「吉竹弘陶展」が始まりました。
現代陶芸の世界をお楽しみください。
展示作品点数35点。8月31日まで毎週末開催いたします。